グルテンフリーで痩せるって本当?

 

グルテンフリー=痩せるではない

グルテンを食べないグルテンフリーのライフスタイルが、ダイエットにも効果があると話題です。トップモデルのミランダ・カーが実践していることで一躍注目されたこともあり、「グルテンフリー=痩せる」と思っている方も多いかもしれません。

しかし、グルテンフリーがダイエットに効果があると医学的に認められたわけではないので、短絡的に痩せると考えるのはおすすめできません。

グルテンフリーはもともと、グルテンを食べると腸に疾患が生じる「セリアック病」の患者さんのために考案されたものであり、決してダイエットのために考案された食事法ではありません。

 

グルテンフリーが痩せる理由

グルテンフリーは、たった1つのルールである「グルテンを摂取しない」だけのとてもシンプルな食事法です。ですから炭水化物全般を避ける糖質制限ダイエットとは違ってお米は食べてもかまいませんし、砂糖もOKです。

しかしパンや麺類など、グルテンを含む小麦粉を使った料理の多くは、炭水化物を多く含みます。このため食べ過ぎるとカロリーオーバーになりやすい食品です。また、ケーキやドーナツ、クッキーなど、ダイエット中は控えたいスイーツにも小麦粉は使われています。さらに、天ぷら粉や揚げ物の衣にも小麦粉は使われています。揚げ物もハイカロリー食の代表選手です。

グルテンフリーの食生活を続けることで、これらカロリーオーバーになりやすい食品を食べなくなりますから、一日の摂取カロリーが抑えられ、その結果としてダイエット効果が現れることは充分に期待できるでしょう。

 

小麦は依存症になりやすい食品

体に良い、ダイエット効果も期待できるグルテンフリーですが、実は続けるのは難しいともいわれています。その理由の一つに、小麦粉には中毒性があることが指摘されています。

グルテンは胃の中で分解されると、エクソルフィンという中毒性をもたらす物質を生み出します。エクソルフィンが体内に吸収されると脳のオピオイド受容体と結合し、快感を生じさせるのです。その結果、「ふわふわのパンを食べると幸せになる」「ケーキを食べると癒やされる」など小麦粉に依存しやすいのです。特にケーキなどのスイーツには、小麦粉と同様に中毒性が高いといわれる砂糖も多く含まれています。小麦粉と砂糖の相乗効果で、甘い物がなかなか止められないという人は多いのではないでしょうか。このように知らず知らずのうちに、小麦粉依存症に陥っている人は少なくありません。

このため、ダイエットのために食べ過ぎないようにしようと決心しても、依存症による禁断症状によってパンやケーキ、ラーメンなどのハイカロリーの食べ物が止められず、なかなか痩せられなくなります。

グルテンフリーの食生活で痩せるといわれるのは、グルテンを断ち切ることで小麦依存症がなくなり、以前のように小麦粉に対する禁断症状に悩まされることがなくなります。小麦粉依存症は、小麦粉を食べないことで改善できます。その結果、小麦を含むハイカロリー食品の食べ過ぎを防ぐことが可能です。