小麦が原因となる体の不調とグルテンフリー

近頃、グルテンフリーが気になるという人が増えています。しかし、その必要性についてはよくわからないという人もいるようです。

 

グルテンフリーとは?

グルテンとは、小麦などの麦類から作り出されるタンパク質のことです。そして、このグルテンが含まれている食品をまったく摂らない食生活のことをグルテンフリーと言います。もともとこのグルテンフリーは、セリアック病の人や小麦アレルギーの人など、麦類が原因で起こる疾患を持つ患者が実践していたものです。

セリアック病の人がグルテンを摂ると、小腸の働きに異常が起こり、体内に栄養が吸収されなくなるなどの症状が出ます。また、小麦アレルギーの人が小麦を含む食品を口にすると、蕁麻疹が出たり、腹痛やひどい下痢になったり、重篤な場合には呼吸困難や血圧低下などの症状を引き起こします。これらのアレルギー症状を防ぐために、小麦を含む食品を摂らないように、グルテンフリーが実践されてきました。

 

実は多いグルテン不耐性

また、近年では小麦アレルギーとまではいかないものの、グルテンが含まれている物を食べると体に不調が現れてしまうグルテン不耐性の人が多くいるということが判明し、その認識は広まってきています。グルテン不耐性がまだ広まっていなかったときは、何が原因で不調が起きているのかわからないまま、過ごしていたというケースも少なくありませんでした。しかし、有名なスポーツ選手や芸能人などがグルテン不耐性のため、グルテンフリーを実践していると公表したことがきっかけとなり、もしかして自分もグルテン不耐性なのかもしれないと疑いを持った人や、グルテンフリーについて興味を持ったという人が増加しました。

グルテン不耐性の人がグルテンを含んだ食品を口にすると、頭痛や体がだるくなったり、下痢や便秘を引き起こしたり、肌が荒れたりというような症状が現れます。そのような症状が現れたら、病院へ行って診察を受け、治療をすればいいと考える人もいるようですが、実はまだ、病院での確定診断の方法は確立されていないのが現状です。この点が、セリアック病や小麦アレルギーとは大きく異なります。

自分で体調不調がグルテンによるものかを調べたい場合には、3週間程度グルテンが含まれている食べ物を摂らないようにする方法が有効です。もしもその期間にそれまで感じていた体の不調が起こらなかった場合は、グルテンが原因で体の不調が起こっていた能性がかなり高いということになります。

 

改善できることと注意点について

体調不良の原因がグルテンである可能性が高まった場合は、グルテンフリーを実践することになります。グルテンフリーを実践すると、それまでの体の不調がなくなり、継続していくにつれて、体質が改善されていったり肌が綺麗になったりと、健康を回復させることができるようになります。

ただし、グルテンフリーは栄養バランスを整えることが難しいという欠点もあります。せっかく体の不調から解放されても、栄養バランスの偏りが原因で体調不良を引き起こしてしまっては元も子もありません。可能であれば、医師や栄養の専門家などの指導を受けながら実践することが理想的です。